村上龍の名作リーディングアクトが南青山に登場
2025年11月、南青山MANDALAにて、俳優主導の演劇集団「ツチプロ」が、村上龍の名作『限りなく透明に近いブルー』をリーディングアクトとして上演します。本公演は、破滅的な青春群像劇を通じて、現代の若者が抱える孤独やオーバードーズ問題に真摯に向き合うものです。
公演の背景
村上龍のデビュー作である本作は、1970年代の福生を舞台に、ドラッグや暴力に翻弄される若者たちの姿を描いています。最近では、若者を中心に市販薬のオーバードーズが問題視されることが増えてきましたが、社会的な批判の裏で、当事者たちの心の声が無視されているのではないかという意見が広がっています。
公演のプロデューサー、中島晴紀氏は「帰る場所のない若者たちの心情に焦点を当て、彼らの現実を深掘りしていきたい」と語っています。会場となる南青山は、現代の多様な文化が交錯する場所であり、このテーマを扱う上で理想的な舞台です。
リーディングアクトとは
リーディングアクトは、朗読劇の一種で、俳優たちが台本を手に持ちながら演じる形式です。観客は、マイク前の俳優たちの立ち姿を見ながら、言葉の力を直接感じることができます。これにより、原作の感情がより直に伝わることが期待されます。
出演者とスケジュール
この公演には、若手実力派の俳優たちが参加します。鈴木晃や小嶋理佳、前田夏実など、個性豊かなキャストが集い、独自の解釈で物語に命を吹き込みます。
公演は2025年の11月26日(水)と27日(木)の二日間、計4回の上演が予定されています。各回、開場は開演30分前からで、チケットは現在予約受付中です。
チケット情報
- - 前売料金: 自由席4,500円(当日5,000円)、前方指定席5,500円
- - U-25割引: 自由席3,500円
チケットは、e+(イープラス)およびTIGETでの予約が可能です。
作品の意義
本公演は、村上龍が1970年代に描いた若者たちの痛みを現代の問題と重ねることで、観客に強いメッセージを届ける素晴らしい機会です。このような作品をリーディングアクトの形式で提供することで、語りかけるように、観客の心に響くことを目指しています。
トリガーアラート
本公演には、性行為やドラッグ使用、暴力行為に関するセンシティブな表現が含まれます。観覧に際しては観客に配慮し、「トリガーアラート」として詳細が案内されています。
さいごに
『限りなく透明に近いブルー』は、文学の枠を超えて今の時代にも重要なメッセージを発信する作品です。ぜひ、多くの方々に足を運んでいただきたい公演です。これからも、若者たちの声を真摯に受け止める場を持っていくことの大切さを再確認させてくれる舞台となるでしょう。