ヒュンメル、次なる100年への挑戦
デンマークのスポーツブランド、ヒュンメル(hummel)が「FCカルマ」と名づけた新しいプロジェクトを立ち上げました。これは、同ブランドが目指す次の100年を見据えた取り組みであり、スポーツを通じた社会貢献を重視しています。ヒュンメルは創業100周年を迎えた2023年にその足跡を振り返り、新たなスタートを切ることを決意しました。
スポーツが世界を変える
ヒュンメルの歴史は1923年にスタッド付きフットボールブーツを開発したところから始まりました。それまで革靴でプレイしていた選手たちの動きは制限されていましたが、この革新により選手たちは自由にプレーできるようになりました。この歴史的な動きは、スニーカーのような軽やかさを持って飛び跳ねるマルハナバチ(ドイツ語でhummel)から着想を得ており、ヒュンメルのブランドストーリーにも深く刻まれています。
ヒュンメルのビジョンは「Change the World Through Sport.」、つまりスポーツを通じて世界を良くしていくことです。この理念は、現在もグローバルな取り組みとして続いており、日本では人権、ジェンダー、平和に焦点を当てた活動が進められています。
地域社会への貢献
2023年秋、ヒュンメルは点字シャツの販売を開始しました。このシャツはINAC神戸レオネッサによって着用され、その手法が広がりを見せています。この取り組みでは、サッカーチームの選手たちが着用したシャツのオークションによって得られた資金が、視覚障がい者支援に寄付され、笑顔を生む活動が実を結んでいます。名古屋ダイヤモンドドルフィンズが行った寄付金贈呈では、全盲のスタッフが公式マスコット『ディーディー』とふれあう場面も見られ、コミュニケーションの重要性が再認識されました。
また、障がいのある方々を対象としたサッカースクールNPO法人トラッソスと合同で行う「ゴチャタノ」大会は、ドイツの1. FCケルンが参加した日独交流大会として発展。サッカーが障がいのあるなしにかかわらず、人々を結びつける力を持っていることを実感できるイベントとして評価されています。
eスポーツイベントの開催
ガンバ大阪と協力した『障がい者eスポーツイベント』では、脳性麻痺や精神障がいを持つ方々が集い、プロゲーマーと一緒に楽しむ場が提供されました。eスポーツが持つエンターテイメント性は、参加者の笑顔を引き出し、世代や障がいの壁を越えて人々を近づける効果を発揮しました。
環境整備への取り組み
ヒュンメルは、2023年春に東京レインボープライドに参加し、自分自身のキャプテンであるというメッセージを込めたキャプテンマークのペイントイベントも実施。このような活動を通じて、自己表現を尊重し、多様性を促進する取り組みが評価されています。
さらに、毎夏の恒例行事であるピースマッチも10年目を迎え、平和学習の一環としてピースシャツも販売されています。この収益は、次世代への教育に活用される予定です。広島や長崎の選手たちが「今の生活に対して感謝したい」と述べるように、次世代を担う選手たちの意識も高まっています。
FCカルマの未来
FCカルマプロジェクトは、ヒュンメルが未来を形作る一助として展開する新しいラインです。このプロジェクトでは、サッカーユニフォームを基に、より良い未来のための施策を実践することを目指します。
ヒュンメルは常に新しい挑戦を続け、未来を創造するための責任を果たしています。今後も、スポーツを通じて社会を変えていく姿勢を堅持し続けることでしょう。今後のFCカルマの取り組みにもぜひご注目ください。