映画『クィア』と原作
2025-04-10 08:38:34

ダニエル・クレイグ主演の映画『クィア』と原作『クィア』の復活

映画『クィア/QUEER』の公開が2025年5月9日に決定し、ビートニク文学の巨匠ウィリアム・S・バロウズの名作小説『クィア』が同時期に復刊されます。映画は、ダニエル・クレイグが主演し、ルカ・グァダニーノ監督が手がけるという注目作です。この作品は、1950年代のアメリカで異端者たちの苦悩と愛を描いており、切なさが胸に染みる大人のラブストーリーとなっています。

原作小説『クィア』は、バロウズによる実質的な長編小説として位置づけられ、その内容は自伝的です。彼が麻薬中毒者だった当時の経験から、青年との恋愛や共に夢見た旅路が描かれています。実は、この作品は当初出版を拒否され、長らく封印されていた幻の書でもあります。1984年になってようやく原稿が発見され、翌年に『Queer』として出版されました。日本では1988年に邦訳版が登場し、「おかま」として親しまれました。

しかし、言葉の意味が変化する中で、今回は新たに『クィア』と改題され、350ページ近い内容が全面的に見直されました。これは、2010年にアメリカで発行された「25周年記念版」を基にしたもので、オリジナルに近い形で復元が施されています。

また、映画の方も期待されており、ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に出品されたり、第96回ナショナル・ボード・オブ・レビューで主演男優賞を受賞したりしています。ダニエル・クレイグの演技にも乞うご期待です。

バロウズを知っている方も、初めての方も、映画と原作の両方でこの作品を体験することで、彼が描く心の奥底の人間ドラマを味わっていただきたいと思います。

著者・ウィリアム・S・バロウズは、自身の麻薬中毒者としての体験を基に、独自の視点から人間の多様性や愛情の形を描いた作家です。『裸のランチ』など、彼の作品はしばしば難解とされますが、『クィア』はその中でも特に親しみやすいとされています。

新装版『クィア』に関しては、ぜひ手に取ってその内容を味わっていただければと思います。心揺さぶる物語が、37年ぶりに多くの人々に届くことを願っています。毎週更新される映画情報と共に、原作の発売も見逃さないでください。

映画と書籍、双方が交わることで新たな文化体験が広がります。『クィア』の世界にぜひ飛び込んで、その深遠な意味を感じ取ってください。


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