新たな表現の地平を切り開く共同研究の舞台
国内の広告界をリードする株式会社電通と日本の芸術教育の象徴、東京藝術大学がこの度、AIと芸術の領域において革新的な共同研究契約を締結しました。この取り組みは、AIのテクノロジーを活用し、絵画、音楽、そして社会という3つのフィールドで新たな表現の可能性を探るものです。両者の協力を通じて、アーティスト、クリエイター、テクノロジストが集束し、相互に協働するための基盤を築くことが期待されています。
本研究の拠点となるのは、東京都千代田区に位置する「アートベース/偶然はない。」という施設です。この場所では、さまざまな専門家が集まり、AIと芸術に関するアイデアや成果を自由に交換し、さらなる創造性を引き出すことを目的としています。2026年11月19日には報道関係者向けにプレス発表会が予定されており、共同研究の詳細とその展開についての情報が提供される見込みです。
AIと人間の共生
近年、生成AIの進化により、文章や画像、音楽などの創作方法が大きく変化しています。この流れを受けて、電通はAIを単なる自動化ツールとして捉えず、人間の思考や知識と共鳴させることで新たな表現の可能性を見出すアプローチを採用しています。今回の共同研究では、東京藝術大学のアートに関する深い知見を生かし、AIが人間の表現を単に代替するのではなく、むしろ新たな専門性や感性をつなぎ合わせて新しい芸術を生み出すことを目指します。
各プロジェクトは、異なる専門家たちが参加し、AIとの試行錯誤を通じてどう表現にたどり着くのか、そのプロセスも含めて探求されます。これにより、従来にはなかった新しい表現とその背後にあるストーリーが生まれることでしょう。
具体的な取り組み
プロジェクトは「絵画の拡張」「音楽の拡張」「社会の拡張」という3つに分かれています。「絵画の拡張」プロジェクトでは、画家のO JUN氏を中心に、AIを活用して新たな絵画表現を模索します。「音楽の拡張」では、尺八演奏家の藤原道山氏がAIとの共同制作による音楽表現の変化に挑戦します。「社会の拡張」においては、アーティストの中村政人氏がAIと芸術が持つ社会的な影響について探求します。さらに、源由理子氏が各プロジェクトの進行管理を担当し、評価手法の検討も行います。
この共同研究では、制作された作品だけでなく、どのようにAIと人間が協働し、成果に至ったのかも重点的に研究されます。これは、AI時代における芸術を新たに捉え直すために必要なプロセスです。
未来への展望
電通は、この共同研究を通じてAIと人間の創造性の交錯から生まれる新しい価値を広く発信することを目指しています。参加アーティストや関係者の権利や意向を尊重しつつ、得られた知見をクリエイティブな領域への応用や新たなビジネスモデルの創出に活かしていく予定です。ここにAIと共に歩む新しい社会的価値の創造が期待されます。
また、電通グループは、AI活用の戦略「AI For Growth」を推進しており、これが成し得る未来にますます大きな期待が寄せられています。AIによって人間の持つ知識を更に豊かにし、より良い社会を築くための一助となるこの取り組みに、今後も注目していきたいところです。