2024年の中古車市場を振り返る
2024年もまた、中古車市場はさまざまな動きがあった年でした。特に、海外輸出の活況と中古車相場の高騰が目立つトピックとして顕在化しました。今回は、これらの要因によって影響を受けた市場動向を振り返ります。
自動車登録台数の動き
2024年11月の自動車市場を見てみると、新車登録台数は前月比で96.8%と減少し、中古車登録台数も88.3%と同様に減少しました。特に新車の登録台数が安定しない影響で、中古車の登録数も影響を受けているようです。今年の通年では中古車登録数が前年を上回る見通しである一方、新車登録数は前年を下回る予測です。これにより、新車市場の不安定性が中古車市場にも波及している様子が見受けられます。
2024年のトピック
2024年の中古車市場の二つの主要なトピックである『海外輸出の活況』と『中古車相場の高騰』ですが、実際にどのような影響があったのでしょうか。輸出市場では、2024年は過去最高の2023年に次ぐ台数が見込まれています。特に、輸出車両の平均単価が前年を超える状況が続いており、需要の高まりが見られます。また、円安が進行したことにより、国産車の海外需要が増加し、さらにロシア向けの輸出規制が施行された後も他国を経由しての輸出が続けられています。このような状況から、海外市場は活発さを保っています。
一方で、国内市場に目を向けてみると、海外の活況により中古車の供給数が増えず、高騰相場が続いているという厳しい状況です。新車受注残が解消されず、新車から中古車への移行が阻まれ、結果的に市場は反映されていないといえます。
相場の見通し
2025年に向けて中古車相場は今後もしばらく高騰が続くと予測されています。その理由の一つは、円安によって海外市場で国産車を高価格で販売できる状況が続いているためです。この現象が解消されない限り、国内の中古車相場の下落は見込めないでしょう。しかし、2024年の秋以降には、一部の人気車種(例えばアルファードやヴェルファイア)で相場が下落する兆しも見られました。
車選びドットコムの販売動向
「車選びドットコム」のデータを元に、2024年11月の国産車販売データを見てみると、軽自動車が全体の31.4%を占め、依然として人気ですが、シェアを落としています。特に、軽バンや軽ワゴンは2.9ポイントの減少が見られるなど、全体的に軽自動車のシェアが減少傾向にあります。車種別では、トヨタのプリウスが引き続きトップを守っており、ダイハツのタントカスタムも順位を上げる形で健闘しています。
中古車市場の将来に向けて
最後に、2024年の中古車市場を振り返ることで、来たる2025年以降の展望を考える機会としましょう。相場の下落には、日本国内の中古車供給の増加が不可欠です。そのため、今後の円安の改善状況が鍵を握ると考えられます。また、消費者ニーズは多様化しており、時代に応じた対応も求められます。今後も「車選びドットコム」では、毎月の市場データをもとに、市場の最新情報をお届けしていく所存です。ぜひお見逃しなく!