高性能を追求した新型深溝玉軸受
日本精工株式会社(NSK)が果敢に挑む、新たな電動車向けの小型軽量化深溝玉軸受の開発。今までの技術にはない「幅狭組合せ樹脂保持器」を採用し、さらなる小型軽量化を実現しました。この新技術により、従来品と比べて外径を約10%短縮し、重量はなんと約51%も低減されています。これにより、電動車の航続距離が延び、ユーザーにとっての利便性が一層向上します。
開発の背景
電動車が増える中で、駆動ユニットに搭載される深溝玉軸受は、その軽量化と高効率化が求められています。エネルギー効率が車両の性能に直結するため、NSKは運転効率を高めるための革新を進めています。また、これにより駆動ユニットの高回転化も進んでおり、軸受に求められるスペックがさらに厳しくなりました。これらの市場ニーズに応えるべく開発されたのが、今回の新型深溝玉軸受です。
特徴と技術
新たに搭載された「幅狭組合せ樹脂保持器」は、この軸受の革新において中心的な役割を果たしています。特に、保持器の設計により摩擦が減少し、トルクは従来に比べて25%低下しました。また、高速回転特性も向上しており、DMNは320万を超えます。
軽量化のメリット
従来の深溝玉軸受に比べ、外径が10%短縮され、重量は半分近くまで減少しました。これにより、モータの選択肢が広がり、小型軽量な駆動ユニットを実現することが可能になりました。特に2軸および同軸構造を採用したeAxleにおいて、この軽量化は特に高く評価されています。これらの構造は、車両の全体的なサイズを縮小するための重要な要素になっています。
市場ニーズと予測
この新型軸受は、今後数年間での電動車市場の成長に対応する鍵となります。2030年までに電動車のシェアが増加し、特に2軸と同軸構造のeAxleが市場を席巻することが予想されています。NSKはこの開発品を通じて、年間40億円の売上を目指しており、製品の性能向上によって電費改善を実現しています。
結論
NSKは、半世紀以上の実績を通じて、業界のリーダーとしての地位を確立し続けています。新型の深溝玉軸受は、電動車の設計に新たな付加価値をもたらし、次世代のモビリティを支える中心的な存在へと成長することが期待されます。今後もテクノロジーの進化とともに、私たちの生活を豊かにする製品の開発に努め続けるでしょう。