SPAC秋のシーズン2025-2026が開幕!
SPAC-静岡県舞台芸術センターが、2025年秋に新しいシーズンを迎えました。このシーズンのアーティスティック・ディレクターには、劇作家であり演出家の石神夏希が就任。彼女は「今天を生きるあなたと私のための演劇」というメッセージを掲げ、観客との新しい物語を共に作り上げることを目指しています。
物語の再構築
人間は生まれてからずっと物語の中で生きています。家庭、市民社会、国や国籍など、私たちの周りには多様な物語が存在します。しかし、その物語は自分たちが自発的に選んだものだと言えるでしょうか?この考えを踏まえ、SPACの秋のシーズンでは「物語を編み直す勇気」をテーマにした3作品をお届けします。私たちの現在の物語は、自らの手で更新し、新しい道筋を描き出す力を持っています。
シーズンの目玉作品
1. 『弱法師』(よろぼし)
シーズン開幕作は、石神夏希の演出による『弱法師』です。この作品は、視覚障害を持つ青年・俊徳が展開する深遠な物語で、彼を巡る家庭裁判所の調停を描いています。都市やコミュニティを題材にした石神の演出によって、2022年に行われた初演でも高い評価を得ました。今回の再構成では、静岡県内のさまざまな会場で上演が行われ、広い観客層にアクセス可能です。
2. 『ハムレット』
次に上田久美子が演出を手掛ける『ハムレット』が登場します。これはシェイクスピアの名作を元にした作品で、家族の絆や復讐のテーマに迫ります。上田は大衆性と芸術性の橋渡しを重視し、観客が自然と物語に引き込まれる仕掛けを準備しています。
3. 『ガリレオ〜ENDLESS TURN〜』
年明けには、多田淳之介による『ガリレオ〜ENDLESS TURN〜』が上演されます。これは、ベルトルト・ブレヒトの作品で、真実と常識について深く考察した内容です。特に、近代と歴史を交えた視点で現代の若者たちに問いかけます。
中高生向けの特別観賞プログラム
SPACでは、一般公演に加えて中高生鑑賞事業を行い、特に若い世代が舞台芸術に触れる機会を提供しています。今後の取り組みとして、「SPACeSHIPげきとも!」という公演も予定されており、これにより多くの学生たちが劇場に足を運ぶことが期待されています。
まとめ
SPAC秋のシーズンは、観客が新しい物語を共に体験し、心の深い部分に問いかける作品が目白押しです。演劇を通じて、私たちの物語を再考するチャンスがここにあります。この秋、静岡で新たな感動をぜひ体験してみてください。