先人を称える音楽の旅:東京フィルの2025年4月定期演奏会
2025年4月、東京フィルハーモニー交響楽団は特別な定期演奏会を開催します。桂冠指揮者の尾高忠明が指揮を務め、米寿を迎えたピアニストの舘野泉との共演を中心に、幅広い音楽の旅へと誘います。
公演の概要
演奏会は4月24日(木)、25日(金)、27日(日)にそれぞれサントリーホール、東京オペラシティ コンサートホール、Bunkamuraオーチャードホールで行われます。尾高忠明氏は、兄である作曲家・尾高惇忠の作品『音の旅』をオーケストラ編曲で初めて指揮し、故人に敬意を表します。
演奏の聴きどころ
この演奏会の目玉の一つは、ラヴェルの『左手のためのピアノ協奏曲』です。これは作曲家の生誕150年を祝うもので、舘野泉がその独自の演奏スタイルで魅了します。また、エルガーの『交響曲第3番』も取り上げられ、アンソニー・ペインが補筆完成させた品格ある作品が通奏低音となります。どちらの曲も、作曲家の思いを受け継ぎながら、尾高忠明の指揮で一段と深みを増すことが期待されます。
参加メンバー
- - 指揮者: 尾高忠明(東京フィル桂冠指揮者)
- - ピアニスト: 舘野泉
この二人の共演は、クラシック音楽界において極めて特別な瞬間です。彼らは1984年に共演した経験を持ち、その後も日本のクラシックシーンを共に牽引してきました。
尾高惇忠の『音の旅』
尾高惇忠の作品は、特に子供向けに書かれた連弾のための楽曲をオーケストラ版に編曲したもので、その温かみのあるメロディーが引き立つこと必至です。尾高忠明は、兄に寄せる深い思いを込めながらこの曲を指揮し、観客に感動を与えることでしょう。
ラヴェルへのオマージュ
ラヴェルの音楽は、独特の色合いやリズム感が特徴であり、特に『左手のためのピアノ協奏曲』は、その限られた技術を有効に活用した傑作です。舘野泉のピアノ演奏は、力強さと同時に優雅さを持ち合わせ、聴衆を虜にします。
エルガーの想い
エルガーの『交響曲第3番』は、作曲家が未完成のまま死去したため、ペインがその音楽を生かして完成させた作品です。尾高忠明にとっても思い入れの深いこの曲は、日本初演を指揮する機会であり、その感情豊かな演奏が期待されます。
チケット情報
定期演奏会のチケットは全席指定で販売され、価格はSS席が15,000円から、S席が10,000円、A席が8,500円と様々です。また、東京フィルフレンズに登録された会員には、割引も提供されるため、早めの購入をおすすめします。
結びにかけて
東京フィルハーモニー交響楽団の2025年4月定期演奏会は、ただの音楽イベントではありません。これは、先人への深いオマージュを込めた音楽の旅なのです。クラシック音楽ファンはもちろん、音楽を愛する全ての人々にとって、見逃せない公演となることでしょう。是非、ここでの感動を体験してください。