旭化成、新技術開発
2025-09-09 12:39:09

旭化成エレクトロニクス、電動車用技術開発で革新を実現

旭化成エレクトロニクスの革新技術が電動車業界を変える



近年、電動車(xEV)の普及に伴い、それに対応したパワーモジュールの高効率化や小型化が求められています。このたび、旭化成エレクトロニクス株式会社が電流センサーを一体化させた車載用パワーモジュールの技術実証に成功したというニュースが発表されました。これにより、未来の電動車用の電子機器が、より効率的で軽量なものになる期待が高まっています。

開発の背景と必要性



xEVの駆動系には、高度な電流検出能力が必要です。特にトラクションインバータは、低速から加速時まで、幅広い電流に対応するため、正確な電流センシングが求められています。従来の技術では、磁性体コアを用いたコア付き電流センサーが一般的でしたが、その設計自由度や小型化には限界がありました。

旭化成が着目したのは、次世代のSiCパワーデバイスを使った「EZ-232L」という高精度かつ高分解能のリニアホールICです。このICを用いることで、コアレスな電流センサーが実現でき、さらなる効率的なインバータ制御が期待できます。

技術実証の成果



旭化成エレクトロニクスは、欧州のSilicon Austria Labs GmbHと協力し、EZ-232Lを組み込んだパワーモジュールを試作しました。その結果、高精度な電流検出が可能であることを確認。また、本年6月には、トラクションインバータの模擬システムを用いて、実際にインバータを駆動し、コアレス電流センシングの効果を実証しました。これにより、従来のコアを利用したシステムと同等の効率での動作を確認しています。

これらの実証結果は、電動車市場における大きなブレークスルーであり、コアレス化によるトラクションインバータシステムの小型化と効率化が実現する可能性を示唆しています。技術者たちはこれを基に、さらなる開発を進めていくでしょう。

コメント:新たな可能性への展望



旭化成エレクトロニクスのM&Sセンターソリューション開発第四部長、高塚俊徳氏は、今回の技術実証について次のようにコメントしています。

「今回の二つの技術実証により、次世代電動車のパワーモジュールにおける電流センシングの新たな可能性を見出しました。コアレス化により、小型化や設計自由度が向上し、競争力のある電動車システムの開発が進むことを期待しています。」


これからの電動車の進化には、自動車メーカーだけでなく、部品供給者の技術革新も大きな役割を果たすことになるでしょう。旭化成エレクトロニクスの新たな技術がもたらす未来に、我々は大いに注目します。


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