映画『黒の牛』公開記念トークイベントレポート
2026年1月23日より全国公開される映画『黒の牛』。本作は、特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)の協力のもと、京都府が共催する「京都映画企画市」で選ばれた優秀映画企画の一つです。この度、映画の公開記念トークイベントが開催され、監督や出演者が作品の魅力を伝えました。
京都トークイベントの様子
1月31日、京都シネマで行われたトークイベントでは、監督の蔦哲一朗氏と臨済宗大本山妙心寺退蔵院の松山大耕副住職が対談しました。松山副住職は、禅の教えとその象徴である「十牛図」が本作に与えた影響について語り、観客からの質問にも応えました。特に「なぜ牛なのか」という問いに対して、副住職は「馬はまっすぐ走りますが、牛は迷う存在です。从而、思索や内面的な探求の象徴だ」と説明し、参加者たちの興味を引きました。
このイベントでは、作品の深いテーマがより多くの人に伝わったことは間違いありません。また、禅的思想が作品全体を通じてどのように表現されているのかがわかる貴重な機会となりました。
新宿K's cinemaでのトークセッション
続いて、2月1日には新宿K's cinemaで、蔦監督と映画『SHOGUN 将軍』で知られる福永壮志監督とのトークイベントが行われました。二人の間には深い友情があり、福永監督の第一作『リベリアの白い血』の日本配給を蔦監督が担当していました。イベントでは、福永監督が『黒の牛』に対する感想を語り、特に映像表現について熱く語られました。
福永監督は「言語化が難しい感覚を映像で表現することの重要性」を強調し、フィルムに込めた思いを語りました。「この映画は、セリフや物語よりも手触りや匂いといった体験が大切だ」と述べ、その深いメッセージが伝わる作品であることを力強くアピールしました。
また、二人は共に、特に印象に残ったシーンについて語り合い、観客にとっても贅沢な体験となりました。
今後のイベント情報
『黒の牛』の公開を記念したトークイベントは、これからも続々と開催される予定です。製作裏話や作品の深いテーマに関する話を聞くことができる貴重な機会です。特に、2月6日には、昨年の文化功労者に選ばれたダンサーの田中泯氏が出演予定で、その魅力を語るセッションは必見です。
視覚的な冒険
映画『黒の牛』は、8年かけて完成した壮大な映像詩で、全編フィルムでの撮影に挑んでいます。その中でも、日本で初めての70mmフィルムを使用した作品であり、国際共同製作という背景には3つの国が関与しています。さらに、歴史的な背景を持つ徳島県や台灣、アメリカなどでの撮影が行われました。
このような作品の裏には、いくつものドラマが隠れています。公開を経て、更に多くの人にこの作品が愛されることを願っています。
特別展覧
また、牛嶋神社では「『黒の牛』特別展覧」が現在開催中で、劇場版とは異なる編集のメディアアート版も上映されています。この機会に作品の新たな魅力に触れてみてはいかがでしょうか。
『黒の牛』が描く旅は、観る者に深い感動を与え、禅と映像の美を交差させて、新たな体験を提供してくれます。さあ、ぜひ一度、劇場でその世界を体感してください!