映画と書籍が織りなす特別なストーリー
ドキュメンタリー映画「うしろから撮るな 俳優織本順吉の人生」が公表される中、その制作の裏側や家族の絆、そして老いに対する思いが詰まった書籍『ジツゴト2000の役を生きた俳優・織本順吉』が発売されます。これらの作品を通して、監督であり長女の中村結美が伝えたいこととは何なのでしょうか。
織本順吉 - 奇跡の俳優人生
織本順吉(おりもと・じゅんきち)は、1927年に神奈川県で生まれ、2019年に逝去しました。本名・中村正昭。高校を卒業後、一度は大手企業での仕事を経て、1950年に新協劇団に参加し、俳優としてのキャリアをスタートさせました。初舞台は『破戒』での丑松役という重要な役柄。彼はその後も劇団青俳を結成し、様々な作品に出演し続け、映画やテレビドラマを広く網羅し、総出演作数は2000本を超えるという驚異的な実績を持っています。
彼の遺作ともなった『やすらぎの郷』は、品格ある演技とともに、織本自身の深みをよく表現しています。演技に対する思いや家族への愛情、さらには老いの現実に対峙する姿が、今回の映画と書籍の中で鮮明に浮かび上がります。
ドキュメンタリー映画「うしろから撮るな」
中村結美監督が手がけたこのドキュメンタリーは、父親の老いを真正面から捉えた作品です。映画の中では、父としての彼の姿や、俳優としての彼が持つ表現力が見事に表現されています。その背景には、家族という見えない絆が色濃く反映されています。監督自身が感じた感情や思いが、映像を通じて視聴者に伝わっていることでしょう。
映画の核心は、老いとは何か、家族とは何か、そして生を全うすることとは何かという根源的な問いかけにあります。中村監督は父の死と向き合うことで、自らの感情や考えを整理し、その中から観客に何かを感じ取ってもらえたらという願いがあります。
書籍『ジツゴト2000の役を生きた俳優・織本順吉』
映画に続いて発売される書籍では、映画では語りきれなかった数々のエピソードを細かく掘り下げています。第一章では遺作撮影時の思い、第二章では俳優としての生き方、第三章は演技の裏側に迫ります。書籍の中は、織本順吉がどのように役者としての生を全うしていったか、またその中で家族がいかに支え合ってきたのかを丁寧に描写しています。
この書籍を手に取ることで、映画とはまた異なる深い感動を与えてくれることでしょう。両作品を通じて、織本順吉という俳優、そして彼の生きた時代がより鮮明に見えてくるはずです。
上映情報と書籍の購入方法
現在、映画は東京都新宿K's cinemaで上映中で、他にも神奈川県、群馬県、愛知県などで順次公開予定です。書籍は書店や映画館のほか、Amazonやキネマ旬報のオンラインショップでも購入可能です。ぜひ手に取って、老いと向き合った父と娘の物語に触れてみてください。
詳細については公式サイトもぜひご覧ください。
公式サイトはこちら。